2022年1月1日に今の会社(株式会社HERP)に入社してから、この6月で4年半経っていました。
YOUTRUSTの自分のプロフィールで、新卒で入った会社よりも長い期間在籍していることになっていて新鮮です。

実は7月から11月末まで育児休暇を取得することになりました。 せっかくなので育児に忙殺されて記憶が薄れる前に、この4年半を振り返り、立場と視点の変化を書いてみました。
バックエンドTypeScriptを書いてRailsの良さに気づいた
転職する時の軸の一つが「静的型付け言語で開発できること」でした。
実際に入社してからは TypeScriptでがっつり開発をしてきましたし、fp-ts なども使って関数型的なスタイルにもそれなりに浸かってきました。
fp-tsは関数型指向をTypeScriptに持ち込むライブラリなのですが、これをがっつり使っているコードベースで開発することで代数的データ型への理解も深まり、同時に型を合わせるのが結構大変なので型パズルへの理解も深まったというメリットがありました。1
一方で、ここ数年は「(前職で使っていた)Ruby on Railsって良かったな」と思う瞬間も定期的にあります。型の話ではないですが、Rails のような強い思想を持ったフレームワークとは違って、TypeScriptでは軽量なフレームワークが主流なため、アプリケーションアーキテクチャを自分たちで検討・議論して決める必要がある場面が多いです。
これはこれで面白いのですが、事業としてお客様に価値を届けることとは別のところで時間がかかってしまっている側面もあるな、と感じるようになりました。
加えて、基本的なジョブキューや定期実行、オンデマンド実行する運用用タスクなどもRailsなら定番で実績のある仕組みでサクッと作れるところ、TypeScriptの場合自分で組み立てるか、ライブラリを使うにしても慎重に選定する必要があります。
より根底から理解する必要があるという意味で技術的な成長にはつながっている気がしますが、自分の時間を事業成果に変換できる効率で考えると、Rails のエコシステムの偉大さをより感じます。
前職でRuby on Rails で開発しまくっていた時は逆にクリーンアーキテクチャに憧れていて、インターネットでたまにみかけた「Ruby on Railsを採用すること自体が技術的負債である」のような過激な主張に影響を受けていた側面もちょっとあったのですが、その頃から比べると他の言語やフレームワークからの視点も内面化できたという意味では成長できたのかもしれません。
負債を生んで、開発の型が身についた
技術力以上に成長したと感じるのは、もっと一般的な「機能を開発する」という営みそのものを進めていく能力です。
前職はどちらかというとすでに一定成熟したプロダクトだったのに対して、HERPで関わった HERP Hireは事業としていわゆる 10 → 100 のフェーズで、ちょっとしたアップデートを含めると本当に数えきれないほどの機能開発に関わることができました。
その中で、開発前の要求がふわっとした状態から、仕様・実装両面の論点を手前からひとつひとつ詰めていって実装し、最終的にお客様に価値が届く状態まで持っていく、という一連の流れの型のようなものを、自分なりに体得できた気がしています。
その型を身につけるきっかけになったのが、入社してわりと早い時期(2022年夏頃)にやった応募フォームの開発でした。
当時はそこまで重く受け止めていなかったのですが、いま振り返ると当時の私にとってめちゃくちゃチャレンジしていて、そしてめちゃくちゃ失敗していました。中にはリカバリーしきれなかった失敗もあって、技術的にも仕様的にも負債を残してしまったと思っています。
例えば、当時の要件には明確には含まれていなかったけれど、ドメインを熟知していれば「これは後から絶対に欲しくなるよね」とわかるはずの要望(たとえば、機能に関するデータの集計・分析、など)を、設計のタイミングで考慮しきれなかったということがありました。2その結果、あとから機能追加する難易度が上がってしまいました。
他にも既存機能の新しい方式(いわゆる v2 のようなもの)をリリースするにあたって、旧バージョンとの統合・移行を十分に計画できていなかったということがありました。その結果将来に渡ってv1とv2が統合されるまでに時間がかかる状態になってしまいました。
他にも、技術的負債解消の文脈でも変な意思決定をしてしまって負債がより重くなった(主観)りもしています。
これらの判断によって少なからず事業成果やユーザー価値に悪影響を及ぼしてしまっている自覚があり、責任を感じています。
とはいえ、こうした失敗があったからこそ、その後もエンジニアとしてやっていく上での確実な糧になったとも思っています。 一定のユーザー数があり成長し続けるプロダクトだからこそ、このような気づきにつながる適切なFBが得られていると思うので、そんな環境に身を置けたことに嬉しく思っています。
マネージャーになって、上司の気持ちがわかった
もう一つの大きな変化は、マネージャーになったことです。 自分は技術的にものすごく尖った専門性があるタイプではないので、いつかは(いわゆるICではなく)マネージャーのような役割になるのかな、と漠然と考えてはいました。 特にめっちゃなりたいという気持ちがあったわけではなかったのですが、2024年9月に機会に恵まれて正式にマネージャーになりました。
とはいえ、HERP という会社として「マネージャー」という役割をきちんと設置し始めたのもちょうどその頃だったので、会社としても自分としても、わりと探り探りでマネージャーになっていった、というのが正直なところです。
それ以前も一応チームをリードするような立場ではあったのですが、当初は「チームとして成果を出すには、まず自分が一番頑張らないと」という感じで今思えばかなりナイーブな考え方をしていました。 それが、「チームとして成果を出すためには、こういう成長をする必要がある」「そのためはどういう採用・育成・組織作りができるだろう」というようなマネージャーなりの手札の切り方の感覚が(つい最近)わかってきた気がします。
そして、自分がマネージャーという立場になったことで、過去の自分の上司の気持ちもわかったような気がします。
今になって転職前の自分のスキルレベルや成果について振り返ると、「あの頃の自分は、精神的にも能力的にもめちゃくちゃ幼かったな」と素直に感じます。同時に、当時の上司がどんなに広い心で自分と接してくれていたのかもわかる気がします。
当時すごくネガティブな気持ちがあったというわけではないのですが、人並みに評価制度などについての不満というか疑問はもっていました。でもマネージャーになって初めて、かつての自分の上司の気持ちがなんとなくわかったような気がしました。3.
こう書くと、なんだかめちゃくちゃ経験を積んだ立派なマネージャーになったみたいに捉えられてしまうかもしれませんが、実態はむしろ逆で、マネジメントについてはできていないところの方が圧倒的に多く、まだまだ全然ダメダメだなと思っています。ただ、だからこそこれからもチャレンジしていきたいと思っています。
ハイアリングオーナーになって、採用する側の気持ちがわかった
入社時に書いたブログで「人事採用ドメインのプロダクトを開発していること」をHERP に決めた理由として書いていますが、望み通り人事採用ドメインについては4年前と比べると相当詳しくなれたと思います。
採用という業務を自分自身がやっていくことで、HERP Hire が扱っている採用ドメインそのものへの理解を、身をもって深められたのはとても良かったです。
特にマネージャーになってハイアリングオーナーという立場になってからは、1メンバーとして選考に参加していたころと比べて、アトラクトまで気にすることも増え、最終的に候補者の方に選んでもらうことの難しさを心から理解できました。
面接が難しいと思っていた時代を超えて、「あれ、カジュアル面談って実は一番重要だし難しいのでは?」と気づいた時の新鮮さが印象に残っています。
そういった経験を通して自分のプロダクトのユーザーが向き合っている課題を当事者として体験できた気がしています。
今後
開発者としてもマネージャーとしても、たくさんチャレンジしてたくさん失敗した4年半でした。 一方で当時の入社エントリを読み返すと、HERPに入社する時に期待していたものはおおよそ手に入れられたのかなと思います。
これから育休に入るのでしばらくは「親」という初体験の立場を経験してきます。職場に復帰する時に自分がどう変わっているのか不安でもあり楽しみでもあります。
もしHERPという会社に興味を持ってくださったら、気軽にお話ししましょう!
もし私個人に興味を持ってくださった方がいたら、X(旧Twitter)でも気軽に話しかけてください!
この記事は私の勤務先である株式会社HERPでの勤務時間中に作成されていて、HERP Tech hubにも掲載されます。



